生前整理の中で欠かせないのが、財産の整理=棚卸しです。

財産の把握は、将来の相続や遺言作成、さらには寄付や社会貢献につなげていくための基盤となります。

「自分には大した財産はない」と思っていても、実際に書き出してみると意外に多いものです。

財産の棚卸しとは?

財産の棚卸しとは、自分が持っている資産や負債をリスト化すること をいいます。

現金や預貯金、不動産といった目に見えるものだけでなく、借入金や未払いのローンなども含めて全体を整理します。

これを行うことで、自分自身の生活の安心にもつながり、相続時のトラブルも防ぐことができます。

現金・預貯金の整理

預金口座が複数に分かれていたり、使っていない通帳が眠っていたりしませんか?

  • すべての口座を一覧にまとめる
  • 預金残高や定期預金の有無を確認する
  • (必要に応じて)不要な口座は解約し、管理をシンプルにする

こうした作業をしておくことで、相続人が迷わず手続きを進められますし、ご自身も家計を把握しやすくなります。

不動産の整理

実家や持ち家、土地などの不動産は、相続トラブルの原因になりやすい財産です。

  • 権利証や登記簿謄本を確認して所有関係を明確にする
  • 相続人が複数いる場合は「分け方」を事前に検討する
  • 空き家や利用していない土地は、売却や寄付の可能性を考える

特に空き家は放置すると固定資産税や管理の負担が重くなります。

「どう活用するか」までを考えて整理しておくことが重要 です。

株式・保険・その他の資産

証券会社の口座や、生命保険・年金保険なども忘れずにチェックしましょう。

証券口座が複数あると把握が難しくなるため、必要に応じて整理・集約することも検討します。

また、保険は「受取人」が誰になっているか確認することも大切です。

借入や負債も含めて整理する

生前整理では「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産」も重要です。

  • 住宅ローン
  • カードローン
  • 未払いの債務

これらを明らかにしておくことで、万一の時に相続人が混乱を防ぎます。

まとめてリスト化する

財産の棚卸しは、一度で完璧にやる必要はありません。

まずは簡単に、資産・負債を一覧に書き出す ことから始めましょう。

エンディングノートや専用の「財産目録」を活用すると便利です。

まとめ

財産の棚卸しは、残された家族に安心を残すための大切な作業です。

現金・預貯金、不動産、保険、株式、そして負債までを含めて整理することで、人生の全体像がクリアになります。

このプロセスを通じて、自分の財産をどう未来に託すか を考えるきっかけにもなるでしょう。

次回は、「実家の相続と空き家問題―トラブルを防ぐためにできること」 を取り上げます。

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