「両親が亡くなった後、実家はどうしよう?」

これは多くの家庭が直面する問題です。

実家を相続したものの、すでに自分の家がある場合や遠方に住んでいる場合、住む予定がなく空き家になってしまうケースが増えています。

空き家はそのまま放置すると、固定資産税の負担・老朽化によるリスク・近隣への迷惑 といった問題につながります。

実家相続で起こりやすいトラブル

相続の現場では、次のようなトラブルが少なくありません。

兄弟姉妹で意見が割れる

「売却したい人」「残したい人」で意見が対立。

管理責任を押し付け合う

誰も住まず、草刈りや修繕費の負担で揉める。

空き家が放置される

老朽化や防犯上の問題が発生し、近隣住民から苦情が出る。

こうした事態を防ぐには、「元気なうちにどうするかを考えておくこと」が大切です。

空き家を放置するとどうなる?

空き家は単なる「使っていない家」ではありません。

  • 屋根や壁が劣化して倒壊の危険
  • 雨漏りや害虫被害
  • 不審者の侵入や放火リスク
  • 固定資産税の負担増(「特定空家」に指定されると税優遇が外れる)

こうした問題は、家族の資産を減らすだけでなく、地域社会にも迷惑をかける ことになります。

トラブルを防ぐための3つの方法

1. 早めに家族で話し合う

「親が元気なうちに」「相続が始まる前に」家族で話し合うことが一番大切です。誰が住むのか、売却するのか、寄付するのか。

早めに意向を確認しておくことで、後のトラブルを大幅に減らせます。

2. 不動産の現状を把握する

  • 登記簿謄本を確認して所有者を明確にする
  • 固定資産税評価額や市場価格を調べる
  • 修繕や解体にかかる費用を見積もる

「今この家にどれくらいの価値があるのか」を知ることは、今後の判断に直結します。

3. 活用や処分の選択肢を知っておく

実家や空き家の活用には、いくつもの方法があります。

  • 売却する:まとまった資金になり、相続人間で分けやすい。
  • 賃貸に出す:管理会社に任せれば収益化できる。
  • 地域や団体に寄付する:社会貢献につながり、遺贈寄付の一環にもなる。
  • 解体して更地にする:税負担や管理リスクを軽減。

いずれにしても、「何もしないで放置」するのが最もリスクの高い選択です。

まとめ

実家の相続と空き家問題は、多くの家庭で避けて通れない課題です。
トラブルを防ぐためには、

  • 早めの話し合い
  • 現状把握
  • 活用や処分の選択肢を検討する

ことが欠かせません。

生前整理の一環として「実家をどうするか」を考えておくことは、家族への思いやりであり、同時に社会への責任でもあります。

次回は、「エンディングノートの活用法―家族に伝えるメッセージと希望」 を取り上げます。

お問合せ

お気軽にお問合せください

佐賀県遺贈寄付活用相談センター

遺贈に関することや、社会貢献に興味がある方は、ぜひお気軽にお問合せください。

お問合せ