
せっかく作った遺言書も、きちんと保管されなければ意味がありません。
また、一度作成したらそのままでよい、というものでもありません。
遺言は「保管」と「見直し」がとても大切なのです。
遺言の保管方法
1. 自宅での保管
封筒に入れて金庫や引き出しにしまっておく方法です。手軽ではありますが、紛失や改ざん、発見されないリスクがあります。
2. 法務局の「自筆証書遺言書保管制度」
2020年から始まった制度で、自筆証書遺言を法務局で安全に保管できます。
メリット:
- 原本を国家機関が保管してくれる安心
- 感相続開始後、家庭裁判所での検認が不要になる
3. 公証役場での保管(公正証書遺言)
公証人が作成し、原本を公証役場で保管します。最も確実で安心できる方法で、紛失や無効になる心配がほとんどありません。
遺言の見直しが必要なタイミング
人生は変化の連続です。遺言もその都度アップデートする必要があります。
- 結婚・離婚・再婚
- 子どもや孫の誕生
- 相続人の死亡
- 大きな財産の売却や購入
- 生活拠点の変更(引っ越しなど)
- 寄付や社会貢献の意向が芽生えたとき
少なくとも 5年に1度 は内容を確認することをおすすめします。
専門家に相談しながらの見直し
遺言は法律の要件を満たさなければ効力を失ってしまいます。
また、相続税や遺留分の問題もあるため、司法書士・弁護士・税理士といった専門家に相談しながら見直すと安心です。
まとめ
遺言は「作って終わり」ではなく、大切に保管し、人生の節目ごとに見直すことが必要です。
安全に保管する方法を選び、家族に確実に伝わるようにしておきましょう。
そして、もし「社会のために財産を残したい」という想いが芽生えたときには見直しのタイミングで遺贈寄付を組み込むこともできます。
それは、家族の安心と社会への贈り物を同時にかなえる、未来志向の選択肢です。